ヤコビの定理

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何か、いい感じに角度をとると交わる。色の同じ角は同じです。

 

証明

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BK=x,CH=a sinB,BH=a cosB,OP=h,BP=y,とおける。xを求めたい。

CH//OPなので△CHK∽△OPKより、

CH:OP=KH:KP

a sinB:h=x-a cosB:y-x

xh-ah cosB=ay sinB-ax sinB

xh+ax sinB=ah cosB+ay sinB

x = \displaystyle \frac{ah \cos{B} + ay \sin{B}}{h + a \sin{B}}

\frac{AK}{KB}を求めたい。b cosA=c-a cosB、b sinA=a sinB であることに気を付けて、

\begin{align}
& \displaystyle \frac{AK}{KB} = \displaystyle \frac{c-x}{x} = \displaystyle \frac{c}{x} -1 \\
&= \displaystyle \frac{ch + ca \sin{B}}{ah \cos{B} + ay \sin{B}} - 1 \\
&= \displaystyle \frac{ch + ca \sin{B} - ah \cos{B} - ay \sin{B}}{ah \cos{B} + ay \sin{B}} \\
&= \displaystyle \frac{h(c - a \cos{B}) + (c-h)a \sin{B} }{ah \cos{B} + ay \sin{B}} \\
&= \displaystyle \frac{bh \cos{A}+ (c-h)b \sin{A}}{ah \cos{B} + ay \sin{B}} \\
&= \displaystyle \frac{b}{a} \displaystyle \frac{\cos{A} + \frac{c-y}{h} \sin{A}}{\cos{B} + \frac{y}{h} \sin{B}}
\end{align}

\frac{h}{c-y}=\tan{\alpha}

\frac{h}{y}=\tan{\beta}であるから、

\displaystyle \frac{b}{a} \displaystyle \frac{\cos{A} + \frac{c-y}{h} \sin{A}}{\cos{B} + \frac{y}{h} \sin{B}}=\displaystyle \frac{b}{a} \displaystyle \frac{\cos{A} + \frac{\sin A}{\tan \alpha} }{\cos{B} + \frac{\sin B}{\tan \beta}}

なので、

\displaystyle\frac{AK}{KB}=\displaystyle \frac{b}{a} \displaystyle \frac{\cos{A} + \frac{\sin A}{\tan \alpha} }{\cos{B} + \frac{\sin B}{\tan \beta}}

ま、こんなノリである。

図が見づらくてすみません。この証明は場合分けが必要な気がしますので、証明終とはしないでおく。

この証明面白くないですか。謎の文字、h,yが出てきたのにいつの間にか文字にα、βに変わっているのすよ。いや、計算していて大分驚きました。始めはこんな途中式がくると思わなかったもんだからさ、最初証明するのに座標つかってゴリゴリ計算して証明してやりました。あれなら完全な証明になるけどもね、面白い証明でないし、載せるのが面倒なので、載せません。

 

この点はキーペルト双曲線を含む。そのうえ、いろんな点を含むので、探してみて下さい。

 

文献

en.wikipedia.org

三角関数の加法定理

\sin(\alpha + \beta) =\sin \alpha \cos \beta + \cos \alpha \sin \beta

これである。え?これあだけに有りまじ、という方もいらっしゃると思います。しかし私は面倒なのでこれだけしか書きません。

え?幾何学に関係ありまじという人もいらっしゃると思います。幾何学を使って証明するので書きます。

 

証明

三角形ABCで、∠A=α、角B=β、AB=c、CA=x、CB=yとする。

このときx、yをα、β、cを使って表したい。

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第一余弦定理より

c = x cosα + y cosβ ...①

又、

x sinα =y sinβ ...②

が成り立つ。

①にsinβを掛け、②にcosβを掛けると、

①... c sinβ = x cosα sinβ + y cosβ sinβ

②... x sinα cosβ =y sinβ cosβ

y sinβ cosβが共通してあるので、代入する。

c sinβ = x cosα sinβ + x sinα cosβ

x (sinα cosβ + cosα sinβ) = c sinβ

x = \displaystyle \frac{c \sin \beta}{\sin \alpha \cos \beta + \cos \alpha \sin \beta} ...③

∠C=π-(α+β)であることに気を付けると、正弦定理によれば、

\displaystyle \frac{x}{\sin \beta}=\displaystyle \frac{c}{\sin(\pi-(\alpha + \beta))}

x=\displaystyle \frac{c \sin \beta}{\sin(\alpha + \beta)}...④

③④でxが等しいので

 \displaystyle \frac{c \sin \beta}{\sin(\alpha + \beta)} = \displaystyle \frac{c \sin \beta}{\sin \alpha \cos \beta + \cos \alpha \sin \beta}

両辺をc sinβで割って、逆数を取ると、

\sin(\alpha + \beta) =\sin \alpha \cos \beta + \cos \alpha \sin \beta

まぁザックリこんな感じのはずである。

実際はα+β<180°、α>0°、β>0°、で全然一般角に対して使えないので、これは観賞用として眺めておいて下さい。

 

これは、私が中学生の時に見つけたのかな。高校一年生かな。記憶があまりなくて、すみません。

正弦定理

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△ABC外接円の半径をRとすると、

\displaystyle \frac{a}{\sin A} =\displaystyle \frac{b}{\sin B} =\displaystyle \frac{c}{\sin C} = 2R

かの有名な定理である。正弦法則ともいう。ペルシャNasīr Eddīn Tūsī(1201~1274)の発見と言われているそうです。本当かどうかは知りません。読み方も分かりません。Google翻訳で直接入れたら ナシル・エディン・トゥシと出ました。あってるんですかね。

 

証明

三角形の面積は、

S=\dfrac{1}{2}bc\sin A=\dfrac{1}{2}ca\sin B=\dfrac{1}{2}ab\sin C

又、ヒッパルコスの式によれば

 S=\dfrac{abc}{4R}

代入すると

\dfrac{abc}{4R}=\dfrac{1}{2}bc\sin A=\dfrac{1}{2}ca\sin B=\dfrac{1}{2}ab\sin C

両辺を二倍してabcで割ると、

 

\dfrac{1}{2R}=\displaystyle \frac{\sin A}{a} =\displaystyle \frac{\sin B}{b} =\displaystyle \frac{\sin C}{c}

逆数をとって

\displaystyle \frac{a}{\sin A} =\displaystyle \frac{b}{\sin B} =\displaystyle \frac{c}{\sin C} = 2R

証明終

 

以上。ね、この証明見たときは驚いちゃったね。いや、ほんとに。三角形の面積の公式は知っていたけどもこの発想はなかった。うん。

しかしあれだな。Nasīr Eddīn Tūsīさんはこんな素晴らしい定理を発見したのに自分の名前がつけられなくて悔しからむ。何か理由があるんですかね。同時期に同じ発見をした人がたくさんいたとか。

 

文献

高校数学解法事典 旺文社

幾何学大辞典第一巻 岩田至康:編 槙書店

ヒッパルコスの定理

面積がSである△ABCで、AB=c、BC=a、CA=b、外接円の半径をRとすると、

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abc=4RS

 

ヒッパルコスさんは紀元前2世紀ごろの天文学者だそうです。ヒッパルコスの定理といってもいいでしょうが、見かけないですが栄誉を称え呼んでおきます。この定理はたまに使いたくなるので、自分がわかるように名前を付けておきたかった。

 

証明

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AからBCに下した垂線の足をH、外接円の中心をO、直径ADをとる。

まず、S=\displaystyle \frac{1}{2}a AHより

AH=\displaystyle \frac{2S}{a}

△AHCと△ABDで

∠AHC=∠ABD(タレスの定理、仮定)・・・①

∠ADB=∠ACH(円周角)・・・②

①②より2角が各等しいので

△AHC∽△ABD

これより、

AH:AB=AC:AD

AB・AC=AH・AD

c \cdot b = \displaystyle \frac{2S}{a} \cdot 2R

整理して、

abc=4RS

をえる。

場合分けが必要な気がするので証明終とはしないでおく。

 

中学生の時に3辺の情報だけでどうにか外接円の半径を表したい菊池少年は、座標で置いて計算するという暴挙にでました。計算に計算を重ね、なんとか上の式を出しました。その式を比の式に直し、そういう形になるような図形を考え、上記のような証明方法を思いついたというわけです。

 

因みにこの式は円に内接する四角形バージョンで拡張が可能です。

 (当ぶろぐが勝手に作った菊池の定理がそれにあたります。)


文献

幾何学大辞典第一巻 岩田至康:編 槙書店

パラメシュヴァーラの公式

半径Rの円に内接する4辺がa,b,c,d,の四角形の外接円の半径は

 2s=a+b+c+dとすると

R = \displaystyle\frac{1}{4} \sqrt{\displaystyle\frac{(ac+bd)(ad+bc)(ab+cd)}{(s-a)(s-b)(s-c)(s-d)}}

もしくは単に、

 R = \sqrt { \displaystyle\frac{(ab + cd) (ac + bd) (ad + bc)}{(a+b+c-d)(b+c+d-a)(c+d+a-b)(d+a+b-c)}}

と表せる。

 

証明

使う道具は3つ。

  • レミーの定理
  • 菊池の定理(当ぶろぐが勝手に作った定理。)
  • ブラーマグプタの公式

一つでも知らない方は調べましょう。

半径Rの円に内接する面積Sの四角形ABCDでAB=a、BC=b、CD=c、DA=d、AC=x、BD=yとすると、

菊池の定理によれば、

x(ab+cd)=y(ad+cb)=4RS

左の項と右の項、真ん中の項と右の項をとり、2式を掛ける。

\begin{array}{rcccccc} &4RS &=&x(ab+cd) \\ × &4RS &=&y(ad+bc) \\ \hline &(4RS)^{2} &=&(ab+cd)(ad+cb)xy \end{array}

レミーの定理によれば

xy=ac+bd

なので、

(4RS)^{2} =(ab+cd)(ad+cb)(ac+bd)

4RS=\sqrt{(ab+cd)(ad+cb)(ac+bd)}

4R=\displaystyle\frac{\sqrt{(ab+cd)(ad+cb)(ac+bd)}}{S}

2s=a+b+c+dとすると、ブラーマグプタの公式によれば、

S= \sqrt{(s-a)(s-b)(s-c)(s-d)}

なので、

4R=\displaystyle\frac{\sqrt{(ab+cd)(ad+cb)(ac+bd)}}{ \sqrt{(s-a)(s-b)(s-c)(s-d)}}

4R =\sqrt{\displaystyle\frac{(ac+bd)(ad+bc)(ab+cd)}{(s-a)(s-b)(s-c)(s-d)}}

∴ R = \displaystyle\frac{1}{4} \sqrt{\displaystyle\frac{(ac+bd)(ad+bc)(ab+cd)}{(s-a)(s-b)(s-c)(s-d)}}

 R = \sqrt { \displaystyle\frac{(ab + cd) (ac + bd) (ad + bc)}{(a+b+c-d)(b+c+d-a)(c+d+a-b)(d+a+b-c)}}

 
 

これは示されるべきことであった。

 

この方法を英語の授業中に見つけたときには、興奮して受業に全然集中できませんでした。あまりに嬉しかったもんだから友人と家族に自慢をしました。

 

最初はうまい方法が思いつか無かったので、何も考えずに対角線の長さを求め、正弦を求め、半径を求めて、式を出しました。その式の中にブラーマグプタとトレミーがいるのをみて、これは、何かある!と思い、いろいろ式をいじくりまわしたところ、菊池の定理の発見に至り、上記のようなかっこいい方法を思いついたわけです。

この出し方が感動する理由は、式中の因数にきちんと意味があることですね。何も考えずに出したときに、なんで面積の公式が出てくるなかしら、と疑問に思っていました。意味があるのは嬉しいです。

菊池の定理

半径Rの円に内接する面積Sの四角形ABCDでAB=a、BC=b、CD=c、DA=d、AC=x、BD=yとすると。

x(ab+cd)=y(ad+cb)=4RS

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はい、今回は私の発見した定理です。

諸注意。

一.左二辺x(ab+cd)=y(ad+cb)は既知のもので、調べれば出てきます。しかしながら何処を探しても外接円に関する記述がないためこの場で発表させていただく次第であります。

二.私の調べが不十分である可能性があります。この定理が既知のものである可能性があるため、この定理知っているよ、という方があればご教授願う所存であります。

以上。

 

私はある日、共円四角形の外接円の半径を求めたいと思った。自分でやろうとするもどうにもいい方法が見つからない。調べてみるもやはりいい方法が見つからない。仕方がないので、とりあえず三角関数を使って対角線の長さを求め、角の余弦を求め、正弦にし、正弦定理を使用した。計算がなかなかに面倒だったが、気合と根性で計算をし、現れた式の中に、トレミーの定理とブラーマグプタの公式が含まれていることに着目し、式を眺めていたらふとこの定理を思いついたのである。これは面白いと思い、別の証明の方法を考えていたらすぐに思いついた。

それを下に記す。

 

証明。

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180°=πと表記する。

∠ABC=α、∠DAB=βとする。すると対角の和はπであるので、∠CDA=π-αと表せる。すると、

S=\displaystyle\frac{1}{2}ab\sin\alpha+\displaystyle\frac{1}{2}cd\sin(\pi-\alpha)

なので、
S = \displaystyle\frac{1}{2}ab\sin\alpha+\displaystyle\frac{1}{2}cd\sin(\pi-\alpha)

2S =ab\sin\alpha+cd\sin\alpha
2S =\sin\alpha(ab+cd)
\sin\alpha =\displaystyle\frac{2S}{ab+cd}

同様に

\sin\beta =\displaystyle\frac{2S}{ad+cb}

又、正弦定理によれば

\displaystyle\frac{x}{\sin\alpha}=\displaystyle\frac{y}{\sin\beta}=2R

であるので代入すると

\displaystyle\frac{x}{\frac{2S}{ab+cd}}=\displaystyle\frac{y}{\frac{2S}{ad+cb}}=2R

x(ab+cd)=y(ad+cb)=4RS

これは示されるべきことであった。

 

どうだ凄いだろう。この完結な証明。この定理とトレミーの定理とブラーマグプタの公式があれば四角形の外接円などおそるるに値しない。

この定理を明日職場や学校で披露してみなさい。きっとモテます。

いや、もてないかもしれないです。

 

先にも記したとおり左二辺は既知にもので逆も成り立ちます。

また、abc=4RSを使って証明もできますが、私はこっちの証明の方が好きです。

トレミーの定理

円に内接する四角形ABCDでAB=a、BC=b、CD=c、DA=d、AC=x、BD=yとすると、

ac+bd=xy

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対辺の積の和は対角線の積に等しい。



とのことである。驚きである。中学時代にこの定理の存在を知り、嬉しくなったものである。証明しようと頑張りましたが当時の私には歯が立ちませんでした。解法を見て、いやそんなん思いつくか、と思った記憶があります。

プトレマイオスの定理ともいうらしい。なんでプトレマイオスとトレミー?と思っていたのですがスペル(Ptolemy)をみて納得しました。

 

証明

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∠BAP=∠CADとなるような点Pを線分BD上に置ける。

∠ABP=∠ACD(円周角)

よって2角が各等しいので

△ABP∽△ACD

これより

AB:BP=AC:CD

AB・CD=AC・BP  ・・・①

 

∠PAD=∠PAC+∠CAD=∠PAC+∠BAP=∠BAC

∠PAD=∠BAC

又、∠ADP=∠ACB(円周角)

△ABC∽△APD

AC:BC=AD:PD

AD・BC=AC・PD  ・・・②

①②を足して、

AB・CD+AD・BC=AC・BP+AC・PD=AC(BP+PD)=AC・BD 

AB・CD+AD・BC=AC・BD

ac+bd=xy

 

これは示されるべきことであった。

 

思いつかないよこれは。中に相似な図形を作るのは思いつかない。

 

考えてみたが何にも思いつかなかったです。解法を見てみますと思いつきそうな気がしないでもないようなきがするような。いや、思いつきませんでした。

 

逆の証明

四角形ABCDの線分ABに外接し、△ACDと相似な図形となるような△ABQを作る。

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△QACと△ABDで仮定より

QB:DC=AB:AD

QB:c=a:d

QB= \displaystyle \frac{ac}{d} ・・・①

AQ:AB=AC:AD

AQ:a=x:d

AQ= \displaystyle \frac{ax}{d}

より

AQ:AC=\displaystyle \frac{ax}{d}:x=a:d=AB:AD

AQ:AC=AB:AD  ・・・②

仮定より

∠QAB=∠CAD

∠QAB+∠BAC=∠BAC=∠CAD

∠QAC=BAD  ・・・③

②③より二辺の比とその間の角が各等しいので△QAC∽BAD

これより

QC:BD=AC:AD

QC:y=x:d

QC= \displaystyle \frac{xy}{d} ・・・④

四角形ABCDが円に内接する条件は対角の和が180°であることなので

∠ABC+∠ADC=∠ABC+∠ABQ=180°

つまり3点QBCが同一直線上にあればよい。

これは

QB+BC=QC

と言えるので①④より

\displaystyle \frac{ac}{d}+b=\displaystyle \frac{xy}{d}

両辺にdを掛けると

ac+bd=xy

これは示されるべきことであった。

 

まさか対角の和が補角となることを利用するなんて思いもしなかった。

 これは思いつかない。誰が思いつくんだ。

しかし気持ちのいい証明ですね。同一法のようなモヤモヤした感じがありません。同一法による証明がだめって訳じゃないんですがどうにもこうにもモヤモヤと私はします。

それに対してこの証明は、あまり使われない二辺の比とその間の角、対角の和が補角、同一直線上、う~ん。凄い。

 

 

文献

高校数学解法事典 旺文社

幾何学大辞典第一巻 岩田至康:編 槙書店