ヒッパルコスの定理

面積がSである△ABCで、AB=c、BC=a、CA=b、外接円の半径をRとすると、

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abc=4RS

 

ヒッパルコスさんは紀元前2世紀ごろの天文学者だそうです。ヒッパルコスの定理といってもいいでしょうが、見かけないですが栄誉を称え呼んでおきます。この定理はたまに使いたくなるので、自分がわかるように名前を付けておきたかった。

 

証明

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AからBCに下した垂線の足をH、外接円の中心をO、直径ADをとる。

まず、S=\displaystyle \frac{1}{2}a AHより

AH=\displaystyle \frac{2S}{a}

△AHCと△ABDで

∠AHC=∠ABD(タレスの定理、仮定)・・・①

∠ADB=∠ACH(円周角)・・・②

①②より2角が各等しいので

△AHC∽△ABD

これより、

AH:AB=AC:AD

AB・AC=AH・AD

c \cdot b = \displaystyle \frac{2S}{a} \cdot 2R

整理して、

abc=4RS

をえる。

場合分けが必要な気がするので証明終とはしないでおく。

 

中学生の時に3辺の情報だけでどうにか外接円の半径を表したい菊池少年は、座標で置いて計算するという暴挙にでました。計算に計算を重ね、なんとか上の式を出しました。その式を比の式に直し、そういう形になるような図形を考え、上記のような証明方法を思いついたというわけです。

 

因みにこの式は円に内接する四角形バージョンで拡張が可能です。

 (当ぶろぐが勝手に作った菊池の定理がそれにあたります。)


文献

幾何学大辞典第一巻 岩田至康:編 槙書店