菊池の定理

半径Rの円に内接する面積Sの四角形ABCDでAB=a、BC=b、CD=c、DA=d、AC=x、BD=yとすると。

x(ab+cd)=y(ad+cb)=4RS

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はい、今回は私の発見した定理です。

諸注意。

一.左二辺x(ab+cd)=y(ad+cb)は既知のもので、調べれば出てきます。しかしながら何処を探しても外接円に関する記述がないためこの場で発表させていただく次第であります。

二.私の調べが不十分である可能性があります。この定理が既知のものである可能性があるため、この定理知っているよ、という方があればご教授願う所存であります。

以上。

 

私はある日、共円四角形の外接円の半径を求めたいと思った。自分でやろうとするもどうにもいい方法が見つからない。調べてみるもやはりいい方法が見つからない。仕方がないので、とりあえず三角関数を使って対角線の長さを求め、角の余弦を求め、正弦にし、正弦定理を使用した。計算がなかなかに面倒だったが、気合と根性で計算をし、現れた式の中に、トレミーの定理とブラーマグプタの公式が含まれていることに着目し、式を眺めていたらふとこの定理を思いついたのである。これは面白いと思い、別の証明の方法を考えていたらすぐに思いついた。

それを下に記す。

 

証明。

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180°=πと表記する。

∠ABC=α、∠DAB=βとする。すると対角の和はπであるので、∠CDA=π-αと表せる。すると、

S=\displaystyle\frac{1}{2}ab\sin\alpha+\displaystyle\frac{1}{2}cd\sin(\pi-\alpha)

なので、
S = \displaystyle\frac{1}{2}ab\sin\alpha+\displaystyle\frac{1}{2}cd\sin(\pi-\alpha)

2S =ab\sin\alpha+cd\sin\alpha
2S =\sin\alpha(ab+cd)
\sin\alpha =\displaystyle\frac{2S}{ab+cd}

同様に

\sin\beta =\displaystyle\frac{2S}{ad+cb}

又、正弦定理によれば

\displaystyle\frac{x}{\sin\alpha}=\displaystyle\frac{y}{\sin\beta}=2R

であるので代入すると

\displaystyle\frac{x}{\frac{2S}{ab+cd}}=\displaystyle\frac{y}{\frac{2S}{ad+cb}}=2R

x(ab+cd)=y(ad+cb)=4RS

これは示されるべきことであった。

 

どうだ凄いだろう。この完結な証明。この定理とトレミーの定理とブラーマグプタの公式があれば四角形の外接円などおそるるに値しない。

この定理を明日職場や学校で披露してみなさい。きっとモテます。

いや、もてないかもしれないです。

 

先にも記したとおり左二辺は既知にもので逆も成り立ちます。

また、abc=4RSを使って証明もできますが、私はこっちの証明の方が好きです。