ヘロンの公式

三角形の3辺をa,b,cとし、2s=a+b+c、面積をSすると、

S=\sqrt{s(s-a)(s-b)(s-c)}

 見た目がすばらしいですな。一つだけs単体なのが気になる人もおられると思いますが。これは、ブラーマグプタの公式をみれば納得すると思います。それは各自納得するか、いつか私自身で話をするか、他サイトで良さげなものを探して。

 

証明

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面積がSの△ABCで、ABを底辺。Cを頂点として考える。

CからABに下した垂線の足をHとし、CHをhとすると、

S= \displaystyle\frac{1}{2} c h

よって高さhは、

h = \displaystyle\frac{2S}{c}・・・①

適当な符号で、

±BH±AH=c・・・②

(第一余弦定理を余弦を使わず表したらこうなる。もう余弦定理ではないがな。余弦を使うと鈍角になると勝手に符号が変わってくれますが、使わないと自分で考える必要があります。)

ピタゴラスの定理より、

BH=\sqrt{a^2 - h^2}

AH=\sqrt{b^2 - h^2}

①式を代入して、②式に代入すると、

\pm \sqrt{a^2 - (\frac{2S}{c})^2} \pm \sqrt{b^2 - (\frac{2S}{c})^2}=c

これを気合でSについて解く。2s=a+b+cとすると、

\begin{align}
\pm \sqrt{a^2 - \left ( \frac{2S}{c} \right )^2}\pm \sqrt{b^2 -\left ( \frac{2S}{c} \right )^2} &= c \\
\pm\sqrt{a^2 - \left ( \frac{2S}{c} \right )^2} &= c \pm\sqrt{b^2 - \left ( \frac{2S}{c} \right )^2}  \\
a^2 - \left ( \frac{2S}{c} \right )^2 &= c^2 + b^2 - \left ( \frac{2S}{c} \right )^2 \pm 2c\cdot\sqrt{b^2 - \left ( \frac{2S}{c} \right )^2} \\
a^2 - b^2 - c^2 &=  \pm 2c\cdot\sqrt{b^2 - \frac{4S^2}{c^2}} \\(a^2 -b^2 - c^2)^2 &= 4b^2c^2 - 16S^2 \\ 
16S^2 &= 4b^2c^2 - (a^2 -b^2 - c^2)^2 \\ 
16S^2 &= (2bc + a^2 - b^2 -c^2)(2bc - a^2 + b^2 + c^2 ) \\
16S^2 &= (a^2 - (b-c)^2)((b+c)^2 - a^2) \\
16S^2 &= (a+b+c)(-a+b+c)(a-b+c)(a+b-c) \\
16S^2 &= (a+b+c)(a+b+c-2a)(a+b+c-2b)(a+b+c-2c) \\
16S^2 &= (2s)(2s-2a)(2s-2b)(2s-2c) \\
16S^2 &= 2(s)2(s-a)2(s-b)2(s-c) \\
S^2 &= s(s-a)(s-b)(s-c) \\
S &= \sqrt{s(s-a)(s-b)(s-c)} \\ 
\end{align}

ただしSは正である。

かくしめされた。

私が中学生の時に思いついた方法ですね。中学生でも理解できる内容ですね。最初±が必要だって気づかなかったですよ。ああ恐ろしい恐ろしい。中学生に場合分けなんて必要ないからおもおいっきり引っかかってしまいましたよ。

因みに展開すると

4S=\sqrt{2(a^2b^2+a^2c^2+b^2c^2)-(a^4+b^4+c^4)}

この形で使ったことがあります。その話はいつか。